リユースECにおける「ささげ業務」とは?

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ささげ業務とは、ネットショップで商品を販売するために行う、撮影(さつえい)、採寸(さいすん)、原稿(げんこう)の頭文字を取った略称です。
商品を試用・試着できる実店舗とは異なり、ネットショップでは商品の情報を「画像」と「テキスト」のみで表現する必要があり、ささげ業務はEC運営に欠かせない作業です。
当記事ではリユース商品を販売されているEC事業者にフォーカスして、ささげ業務について解説します。

冒頭でもご説明した通り、ECサイトでお客様が商品の情報を確認できるのは「商品画像」と「テキスト」からだけです。
お客様と商品のタッチポイントを作るささげ業務はEC業務の中でも重要な役割を担っています。
どんな商品を販売する場合でもささげは必要不可欠な業務ではありますが、中古品を販売するリユースEC事業者は特にささげ業務が重要となります。
リユースEC事業者においてささげ業務が重要な理由は以下の通りです。

[リユースの商品特性]

リユース商品(中古品)は、新品商品と異なり個体ごとの状態が異なります。
購入者は商品の状態を最も気にするため、以下のような点を正確に伝えることが重要です。

・汚れや傷があるか?
・使用に支障がある不具合などがないか?


リユース商品の場合、商品のコンディションを正しく伝えなければ購入者の信頼を得ることは難しく、結果として販売機会を逃してしまうことがあります。

[作業負担]

リユース商品では、同じ商品であっても個体差があるため、1商品ごとに個別のデータを作成する必要があります(1商品=1SKU)。
例えば、新品商品の場合、1回のささげ業務で複数在庫を販売できますが、リユース商品の場合、在庫点数分の作業が必要になります。
そのため、単に「丁寧に作業を行う」だけでなく、効率的に進める仕組みづくりが不可欠です。

ここからはリユース事業者が行うささげ業務の基本について解説します。
ささげ業務はどんな商品であっても行うことは基本的に同じですが、商品によって特有の作業や気をつけるべきポイントがあります。

[撮影]

リユース商品の撮影では、商品の状態を正しく伝えることが最も重要です。
特に注意すべきポイントは以下の通りです。

・商品全体が分かる写真と共に、傷や汚れといったダメージ箇所の詳細を撮影する。
・撮影環境(照明や背景)を整え、商品が見やすい状態で撮影する。


購入者は商品のコンディションを確認した上で購入を決定するため、状態の透明性を確保することが求められます。

[採寸]

採寸は、新品商品と同様に重要なプロセスですが、リユース商品の場合、以下の点を考慮します。

・古着などの商品は、新品時のサイズと異なる可能性があるため、実測値を掲載する。
・商品のカテゴリ毎に測定方法を統一し、購入者が比較しやすいデータを提供する。

[原稿]

リユース商品の原稿作成では、以下の点を盛り込むことが重要です。


基本情報:商品名、ブランド、素材、カラー、サイズなど。
コンディション情報:使用感やダメージ箇所の詳細を記載し、画像では伝えきれない情報を補足する。


これにより、購入者に安心感を与え、購買意欲を高めることができます。

新品商品と比較して、リユース商品のささげ業務は負担が大きい商材の1つです。

例えば、1万点の商品を在庫しているECサイトの場合、

新品商品:同じデータで複数在庫を販売可能。
リユース商品:商品数=作業数(1万点分のささげ業務が必要)。

売上が伸びて販売点数が増えるほど、作業量が増加し、オペレーションが追いつかなくなる可能性があります。
そのため、業務の効率化やオペレーションの標準化を早期に進めることが重要です。

リユース商品のささげ業務では、クオリティ、作業時間、作業コストのバランスが求められます。
以下の方法を参考に効率化を図りましょう。

①KPI設定

1商品あたりの作業時間やコストに上限を設け、作業現場での目標を数値化する。

②作業環境の構築と自動化ツールなどの活用

ささげ業務を効率的に行うために撮影ブースなどの作業環境の整備と作業ツールの導入を行う。

③作業スタッフの教育・マネジメント

作業マニュアルなどを整備し、全ての作業者が均一なクオリティで作業を効率的に進める。
これらにより、作業負担を抑えながらも十分な品質を確保できます。

今回は、リユースEC事業者が行う「ささげ業務」について基本を解説しました。

・リユース商品のコンディションを正しく伝えることが最重要。
・事業の成長に備え、業務オペレーションを早期に構築する。
・クオリティ、作業時間、コストのバランスを考慮して業務を進める。


これらを意識することで、効率的かつ効果的に商品をECサイトに掲載することが可能です。
今後も、具体的なノウハウやツール活用方法について紹介していきますので、ぜひ当社のコンテンツをご覧ください。

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